純粋

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いつから 「可愛い」と云う言葉を 素直に喜べなくなったのだろう いつから 「謙遜」と云うものを 覚えてしまったのだろう 幼い頃は 親に着飾って貰って 其れを誉められるのを 純粋に喜んでた 無邪気にはにかんで 甘えられた 今の僕は 其のやり方を忘れてしまった 曖昧に微笑む術しか 持たなくなっていた 謙遜が過ぎて 自己卑下になって 止まらなくて 誤魔化して 何故だろう 何故 彼の純粋な笑みを 忘れてしまったのだろう 何故だろう 何故 彼の無邪気さが 亡くなってしまったのだろう 「人はこうして大人になっていく」 そんな言葉で 誤魔化して そんな自分を 見ない振り そうやって 泣いている自分を 無視しながら 其れでも愛してくれる 人々に こっそり隠れて 嬉し涙を流す 其の雫だけは 今も昔も変わらず 美しい
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