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見渡す限り澄んでいる
あの蒼は僕の心を
浄化してくれる
昔から
空を眺めるのが
好きな子だった
朝焼けも
蒼空も
夕焼けも
星空も
皆違った美しさを持っていた
月を窓に喩えたり
夜を天鵞絨のカーテンに見立てたり
茜空を頬の紅色に喩えたり
雲を飛行船に見立てたり
そんな想像と
言葉戯び(あそび)が好きだった
大きくなった今も
其れは変わらず
想像の世界で
言の葉と戯れている
純粋なだけではなくて
ちょっと黒い嗜好が入り混じった
刺すような文字を綴るようになった僕
其れでも空は変わらなくて
切ない程に美しくて
荒んだ僕の心を優しく慰めてくれる
時に沁みることもあるけれど
やっぱり好きな
僕の心の故郷(ふるさと)―――
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