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―――バタンッ―――
病院まで息を切らせて走って来た私。
受付で…吭の居場所を聞く。
病室までの道程は…短い筈なのに…とても長く、とても遠く感じた。
一歩一歩近付くに連れて…鼓動が早くなって…………。案内された部屋のノブに手を掛けるけど…なかなか開けられない…。
―――カチャッ―――
扉を開けると…部屋の電気は消されていて、ただ頭元にある枕灯が点けられていて…寝息もなく、横たわる吭がいた。
楓:か……なめ?
返事がなくて…。胸も動かず、顔色も…白くて…息もしていない。
楓:嘘…だよね⁉吭…ほら…私を驚かそうと…してるんだよね?十分…驚いたよ⁉だから起きて?ねぇ…吭ってばぁ…
吭の身体を揺らすけど…やっぱり返事もなくて…身体も冷たくて…現実を思い知らされる。
――吭は死んだんだ――
~Next~
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