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吭:《……あれ?俺…》
眼を醒ますと、そこは暗闇の中で音もなく静寂が広がるだけだった
吭:《……俺死んだんだ。そっかぁ…なんか呆気ない人生の幕引きだな(苦笑)楓泣いてんのかな……》
そう思った瞬間、俺の意識は楓の所まで飛んでいた。
痛々しい手首の包帯が見え驚く
吭:《楓‼‼お前…まさか自殺未遂…》
楓を抱きしめてやりたいのに…俺には触れる事もできない。
声をかけたって楓には届かないんだ…。
もどかしさに胸を締め付けられる。
側にいるのに…今、目の前にいるのに…愛しい人を抱きしめてやることすら出来ない。
愛しい人が苦しんでるのに…泣いているのに…その涙を止める方法は俺には持ち合わせていなかった。
悔しい思いでいっぱいだった…。
自分の不甲斐なさに泣きそうになりながら拳を握り締める。
吭:《俺に身体さえあれば…》
そう思った瞬間、誰かの声が聞こえる
?:《君、身体が欲しいの?》
吭:《……?誰だ?》
そう言って俺は振り返る
~Next~
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