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「いや…じゃあ…体が辛いのに俺とデートしたりしてたのか…?」
「うん…たまにね…あっだけどね、大丈夫なんだ、悠と一緒にいられれば…へっちゃらだよ」
「…ック…」
えっ…
悠…?
なんで…泣いてるの…?
「なんで…なんで俺、気付かなかったんだ!…なんで…」
悠…
「ごめんな…雫」
「悠は悪くない…謝らなきゃいけないのは黙ってた私の方…」
「雫…頼みがある…!」
「…何?」
「雫に残された一ヶ月って時間を俺に…預けてくれないか…?」
えっ…?どういうこと?
「俺は今まで雫の病気のこと全然気付かないで過ごしてきた…だから、償い…って言い方はおかしいかもしんないけど…残された一ヶ月を雫にとって最高のものにしてあげたいんだ…」
「…悠…それは…悠が一ヶ月無駄にするってことだよ…?悠はもう、今まで私と付き合ってきた約一年間を無駄にしてるんだよ…?」
「…なんで無駄なんて言うんだよ…」
「だってそうでしょ!?もし私があと一年しか生きられないって知ってたらあのとき悠は私と付き合おうと思った?思わなかったでしょ!?」
「思ったさ!!!」
…悠の言葉が心に強くのしかかる…
「俺は、あれから一年間を雫のためだけに過ごしてたと思う…それだけ雫のことが好きなんだよ…俺にはまだ時間がある…だけど雫にはもう時間がないんだろ…?だったら…今までできなかった分、雫のためにできることをさせてくれよ…」
「………悠!!!」
私は声を張り上げて泣いた。
「…悠は私に生きる希望をくれた…!生きる喜びを与えてくれた…!生きることの…楽しみを教えてくれた!!!…もう…十分だよ…悠はこの一年で、私にかけがえのないものをいくつもくれた…もう…十分だよ…」
「…雫……」
私は本当に悠に感謝してる…
悠は…私の生きる希望そのものだったから…
「…それなら…雫に残された時間…一緒にいてもいい…?」
「えっ…?」
「最後の最後まで、俺は雫との思い出を作りたい…それに雫にも俺と幸せな気持ちを共有してほしいんだよ…だめかな…?」
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