第一楽章~僕の無くしたもの

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慌ててさっきまで寝ていた店先に戻った。 ない。鞄がない。 財布と携帯はスーツに入っていたのでよかったが、社員証と会社携帯とMDプレイヤーが入っていた。 偶然タクシーの領収書を持っていたので電話。忘れ物の届けはなく。次にDoCoMoに電話。利用を止めてもらう。そして遠隔ダイヤルロックを施す。更には交番で遺失物届け。 ここまでの行動は先程まで店先で寝ていたとは思えない程、迅速だった。 結局月曜まで見つからず、会社に報告。 始末書を書くことに。 できるだけ詳細に記載するように言い渡された。 二日後、僕の報告が経営層まで上がっていたことは、言うまでもない。どのくらい泥酔していたかを後日、執行役員から聞かれた。
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