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「何でそう思う?」
「涙が綺麗だから…」
あの人との別れの時、私は泣けなかった…。
泣こうとした。
泣く事が当たり前だから。
でも私は泣けなかった。
どうして泣けないのか自問自答を何度も繰り返した…。
取り乱した訳でも、愛して無かった訳でもない。
気まぐれに聞いた相手にそれは悲しく無いからだと言われ、混乱した…。
ならあの感情は、私を支配するこの感情は何なのか?
…罪悪感。
ただそれだけ。
なら私が愛だと思っていたものは何だ?
それを愛だと思っていた。
なら何が愛なのか?
…泣いても何も変わらない。
そう、私は自分の責任を逃れるために泣こうとしたんだ。
愛していたと、何故私を残して逝ったのかと、あの人を責める為に…。
追い詰めた自分を悲劇のヒロインにする為に……。
こんな私に泣く資格があるのか?
悲しむ資格があるのか?
思い出して小さい笑う。
あるはずが無い。
それを受け入れた時、私の心は死んだ。
泣けなくなった…。
頭の中の自分がお前に幸せになる資格があるのかといつも問う。
答えはいつもノーだ。
私は許されない。
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