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「こんなこと知ったら引くかな。」
「え?」
秋吉は、言いづらそうな表情を見せた。
しかし、決意したように再び話し出した。
「私さ、子どもいるんだ。3才の男の子。陽人(はると)っていうの。」
一瞬、何を聞いたのか、理解できなかった。
今耳の中に入ってきた文字を一文字ずつ繰り返した。
(コドモガイル?)
「えぇっ?!」
言葉をようやく理解し、僕は思わず立ち上がって大声で叫んでいた。
店主がこちらを見ていて、目が合った。
「…ごめん。びっくりして…。」
僕は椅子に座りなおした。秋吉は小さく首を横に振った。
「びっくりするよね。急にこんなこと言ってごめんね。」
「いや…。」
「でも、知ってほしかった。懺悔したかったんだ。聞いてくれる?」
僕は呆然としながら頷いた。
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