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秋吉が居酒屋のバイトがあるのは火、木、金、土曜日の週4日。
ハンバーガーショップのバイトは、日曜日を除いて変則的に週5日(日曜日は保育園が休みなので、外してもらってるんだとか)。
改めて考えると、僕自身らしくないと思う。
秋吉が昔好きな人だったから放っておけなかったんだろうか…。
再会して、心が動いたのは確かだけど、今では好きだなんて感情はない(と思う)。
それは秋吉が子持ちだからとかではない。
秋吉を好きだったのは、中学生の僕で、今の僕じゃない。
これから先、好きになったとしても、昔の話とはまた別なんだ。
今、僕を動かしているのは何だろう…。
「ねぇ、サクライ。ケムリでてるよ。」
陽人の言葉に我に返ると、目の前には真っ黒に焦げたハンバーグが、フライパンの上で黒い塊と化していた。
(慣れないことするからだろ…)
いつもは適当にインスタントで済ませるくせに、初日だからとはりきって空回り。
結局、黒い塊はゴミ箱の中へ。
いつもの冷凍食品のハンバーグを電子レンジが温めてくれた。
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