冴えない僕と夢と妄想

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目を開けると、そこはいつもの部屋。 (あぁ、僕の部屋だ…) 枕元で携帯が鳴っている。しばらく携帯を見ながらボーッとする。 (夢…か?) ようやく判断し、携帯を手に持った。 「もしもし…」 相手は母親だった。 『その声はまだ寝てたわね?』 時計を見ると9時。今日はバイトも休みなのに…。 僕はまだ半分しか目覚めていない状態で、母親の愚痴を聞く羽目になった。 実家に帰らないこと、電話での近況報告がないこと、さらには 『アンタは昔からだらしないから、一人暮らしなんて無理だと思ってた』 などと言われ、いい加減に腹立たしくなり、 「バイトに遅れるから」 と嘘をついて、半ば強引に電話をきった。 ベッドに座り、ぼんやりと考えた。 (おもしろい夢だったなぁ) これからというところで邪魔が入ったが、きっと夢の中での僕は、答弁者の言葉を詰まらせるような、立派な質問をしたに違いない。 議場には割れんばかりの拍手喝采、次の日の朝刊には一面トップ記事に堂々と僕の写真が載ったことだろう。 僕はそんな場面を想像して含み笑った。
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