冴えない僕と夢と妄想

6/7
前へ
/96ページ
次へ
僕は、至って地味な男だ。 生まれてから21年間、華やかな時代などなかった。 勉強が特別にできたわけではない。 (めっきりのバカではなかったが。) 体育の時間のヒーローだったわけではない。 (とびっきりの運痴ではなかったが。) 周りに友達が集まってくる人気者だったわけではない。 (全く友達がいなかったわけではなかったが。) もちろん彼女がいたこともなく、同じクラスだった可愛い女子に、密かに想いをよせたことがあるだけだった。 取り柄もなく、目立つところもない。 中学校の同窓会で、名前を忘れられるくらい影の薄い男だ。 僕はこんな自分が大嫌いだ。 高校卒業と同時に変わることを決意した。
/96ページ

最初のコメントを投稿しよう!

596人が本棚に入れています
本棚に追加