彼女の人生、僕の決意

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僕は強い日差しの中、目深に帽子を被り、パチンコ屋へと出勤した。 入り口を入った途端、慣れた音と匂いがする。 どうして平日の昼間にパチンコ屋は混んでいるのだろう。 足を組み、煙草をふかしながらパチンコ台と睨めっこしている年輩の奥さまたちを見ながら、僕は苦笑いした。 (こいつら、暇なのか。) それはもちろん僕も例外ではない。 いや、僕こそそんな批判の対象となるべきだろう。 定職にも就かずこんな時間に出入りしているのだから…。 いつものように午後までパチンコ屋で過ごし、若干の収入を得つつ、すぐ近くのファーストフード店で遅い昼飯をとる。 二階の窓際、一人掛けテーブルに僕は窓を向いて座った。 ハンバーガーにポテト、コーラがいつものお決まりメニューだ。
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