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俺は一歩後退ったが、男はそのまま近付いてきて俺の腕を掴んだ。
「んだよ…離せよ…っ…」
「すぐに済むと言ったであろう…暫くじっとしていろ…」
そう言うと男は俺の顎を掴んで
口付けた
「んぅっ!!??」
俺は必死になってじたばたと暴れたが男は意外と力強くてびくともしない。
「んっ…ぅ…ふぅ…んんっ…///」
暫く口付けたままでいると男はようやく口を離した。
「…これで終わりだ…」
「ふぁ…//…っ…な、なにすんだよっ!!///」
口を離された瞬間に変な声が出て驚くやら恥ずかしいやらで混乱して俺は男に向かって怒鳴りつけた。
「私の名は氷月(ヒヅキ)…我が主帝、これより私は契約者として帝の傍に常に従わせてもらう…」
無視かよ…;
つか常に従う!?冗談にも程があるぞっ!?
「お前…氷月とか言ったか?ふざけんなよ…いきなり主だの契約だのなんだの言って…あげくの果てには俺のファ、ファーストキスまで奪いやがって!」
「仕方ないだろう、帝との契約を結ぶために接吻は欠かせぬものなのだ」
「うるせぇっ!!もうごめんだっ!さっさとここから出せよっ!」
「…まぁいいだろう…」
怒りに任せて激しく怒鳴りつけた結果は意外とあっさりと返ってきた。
「じ、じゃあさっさと出せよ…(なんか拍子抜けだな…;)」
氷月が何もない暗闇に手を翳すとそこから外の景色が見え、次の瞬間、俺は氷月と一緒に先程の丘に立っていた。
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