見えない樹

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どれくらい歩いただろうか、多分約1時間位は歩いたと思う。 「どんだけ歩きゃ他の道に出るんだよ…;」 面白みもない道をただ真っ直ぐに歩くのは結構辛い、機械的に足を動かすのもだ。そろそろ休んじゃおうかと考え始めた時に道の端の方に丘らしき影が見えた。 「あれ?あれって家の近くの丘じゃね?ってことはここって結構家から近かったりすんのか?;」 俺はそんな望みを胸に丘を目指して歩き続けた。 それからまた小1時間…一向に丘に着かない。 「んなんだよこれ…わけわかんねぇ…;」 俺はただぶつぶつと呟きながら歩いた。よく見ると丘には一本大きな木が生えているようにも見えて、もしかしたら全然違う丘なんではないかと言う考えが俺の頭をぐるぐると巡っていた、家の近くの丘には木なんて一本も生えていなかったからだ。
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