クジラにあこがれた甲虫
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私は甲虫。昆虫の王であり、覇者である。 ちっぽけな虫のちっぽけな王だ。 甲虫はとぼとぼと、飛んで帰っていた。 そう、ちっぽけなのだ。 王とは、かのように雄大で、偉大であるべきにもかかわらず。 私はちっぽけなのだ。 王にはふさわしくない。 甲虫はそう思っている。 いくら部下に自らを誉められようとも、くじらを一目見たときから、その思いは変わらない。
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