正義のカタチ。

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「隊長、今日の予定は?いつも通りで?」 井上が犬神に訊ねる。 「ああ。0900から第六第七小隊と合同で通常訓練だ。」 「うげー、俺、第七の三石小隊長苦手なんすわー」 「あ、自分も三石中尉は苦手です…」 「だよな?アイツ小さな事にグチグチグチグチ突っかかりやがって…やれ髪を切れだ、やれ小銃の構え方がどうだ…」 そんな愚痴を加藤と山口が垂れる。 「馬鹿野郎加藤お前、上官にアイツとは何だアイツとは!大体お前がそんな女みたいな髪してんのが悪いんだろが!…まぁ俺も三石中尉は好かんがな。」 「なんだ井上軍曹もじゃないですか。」 あの中尉は横暴だ、言うことが理不尽だ、などと三人が愚痴を言い合っているうちに、 「みんな、それくらいにしておいた方が身のためですよ?三石中尉の耳に入ったら、今日の訓練で何されるか…」 谷池が割って入って軽くたしなめた。 実際、三石中尉の地獄耳は有名な話で、加藤などがこっぴどくしごき抜かれたのも一度や二度ではなかった。 「うえ…そうっすね…。…まだ少し時間がありますな。隊長、テレビ、点けて宜しいでしょうか?」 犬神が、どうぞ、とジェスチャーで返す。 加藤がキャビネット棚に乗せられたテレビの電源を入れ、国営放送のニュース番組にチャンネルを合わせた。 「…え…」 加藤が小さく漏らした。 「どうかしたか?またテレビ、どっかおかしいか?」 井上が新聞を広げながら聞いた。 「軍曹…隊長…みんな、これ…」 全員が各々の行動を止め、テレビ画面に傾注した。 加藤がテレビの音量を上げた。
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