正義のカタチ。

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第一小隊から第五小隊までの各小隊長が第一中隊長室に集まり、日本周辺地図を映すモニターを囲んでいた。 「簡潔に状況を説明する。我が国、日本の愛知が侵略攻撃を受けた。敵はソヴィエトの正規軍と判明している。ソヴィエト政府が先ほど宣戦布告を通達してきた。」 第一中隊の中隊長、後藤中佐が状況説明を始めた。 「奴らはヘリを使っていました。空軍や海軍は、何をしていたんですか?敵の侵略は防衛戦があったとは考えられない早さですが。」 犬神が中隊長に訊ねた。 表面的には、普段と変わらない語調だった。 「原因は不明だが、敵は防衛網に全く引っ掛かること無く国土まで侵入してきた。空軍のレーダー網にも、海軍の巡視網も、敵を発見することは出来なかった。そして、依然として敵勢力は増大しつつあり、その侵入ルートは全く把握出来ていないのが現状だ。」 「…現在の戦況は?」 今度は第一小隊の小隊長が訊ねる。 「うむ。既に名古屋港湾並びに周辺都市区画は完全に敵制圧下にある。現在は交通網を完全に封鎖し付近の軍が応戦にあたっている。国土を爆撃する訳には行かん、都市部に侵入された以上、海空軍はほぼ無力だ。我々陸軍が頼みの綱と言ったところだろう。」 その後も中隊長がモニターを色々と操作し指し示しながら状況を説明する。 「現在把握出来ている状況の説明は以上だ。我々二十一連隊にも出動要請がかかっている。君達には最前線で動いてもらうことになるだろう。質問がなければ解散。第一から第四小隊は早速飛んでもらう。仔細は各部署に送る。」 第一から第四小隊長は敬礼を残して部屋を後にする。 「中隊長、どういうことですか、第五小隊は?」 犬神が当然の事ながら訴える。 「君たち第五小隊は命令があるまで待機だ。これはゴーストのボスからの直々の命令だ。良いな。ゴーストにはゴーストの仕事があるということだ。以上、解散。」 「中隊長!」 「解散だッ犬神少尉!!」
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