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第五小隊。
そう書かれたプレートが貼られたドアを開く。
犬神はこの第五小隊の隊長だった。
オフィスに入ると、犬神は少し驚いた表情をした。
既に先客がいたのだ。
若い男は犬神に気づくと、デスクから立ち上がり敬礼で迎えた。
「おはようございます。犬神少尉。」
名を山口 章造と言った。
階級は伍長。
23歳と若かったが、所帯持ちで子供もいた。
「おはよう。」
犬神も敬礼を返し、下ろした。
山口も敬礼を下ろす。
「早いな、山口。」
そう言いながら犬神は自分のデスクに着いた。
「ええ、少し調べものを。少尉はいつもこんな早くに?」
「ああ。ここに居た方が落ち着くからな。」
「ははは。少尉らしいですね。」
山口は見ていたファイルを閉じて立ち上がるとドアへと向かった。
「コーヒー、淹れてきますね。少尉はブラックですね?」
「ああ。ありがとう。」
山口が出て行くと、オフィスには犬神一人が残った。
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