第1話:天使と悪魔と猫一匹

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*** 「ほんまに、よりによってこんな変態に拾われてしまうなんてなぁ……不運やわぁ」    「クク……いいじゃないか。拾ったのが俺じゃなかったら、今頃見世物にでもされてたかもしれんぞ? それよりはマシだろう」 「確かにそうやけど……それ自分で言うことやなくない?」 禁児の妄言に、キャティが呆れた表情で呟きます。 しかし当の禁児は、他人事のようにボーっと時計を見つめていました。 「てか、まだ時間あるじゃん。あんな慌てて起こす事無かったんじゃね?」 「忘れたん? 今日はウチが禁児の髪の毛切る言うたやん」 それを聞いた禁児は、ポンッと手を打ちます。 「ああ! しっぽり忘れてた!」 「すっかりやろ! 禁児はほっとくと何か月も切らんからな。食べたらとっとと準備するで!」 先に食事を終えたキャティが勢いよく立ち上がり、ハサミなどを取り出しにタンスへ向かいます。 「ほ~い! 頼むぜ姉御!」 「はあ……。調子ええやっちゃな~」 飄々とした禁児の声に、キャティが溜め息をつきながらも、一度振り向いて返事をします。 そんなこんなで、今日もいつも通りの一日が始まる……と、思われたのですが……。 今日この日は、禁児達にとって、忘れられない日になるのでした。  
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