終りの為に

日常

…急いで来たんだってば…
これでも…
…まぁ、今夜のナギサちゃんのテレビ、録画するの忘れてたのを思い出して家に戻ったせいで遅刻したのは申し訳ないですが…

「…聞いてるのか、草部！！」
「はい！すいません！」

草部。
俺の名前だ。
草部　諭（クサベ　サトシ）。
二十歳。
大学生。
加藤ナギサちゃんの大ファン。
身長は180。
誕生日は…
あ、そこまで説明しなくていい？
あ、そう…？

自己紹介も済んだところで現状を説明しようか…
まぁ、簡単に言えば和食料理屋のバイトに遅刻したのだ。
店長は黒光りするマッチョな肉体の持ち主で、和食料理屋の店長よりボディービルダーの方が向いていそうな人だ。
しかも職人故に気性が荒い。
怒られる時は本気で殺されるんじゃないかと思う。
その際は是非とも一気に仕留めて欲しい。
痛いのとか苦しいのとか嫌だし。
間違ってもヘッドロック式絞殺とかはやめてほしい。
苦しい上、汗臭いし、あの黒光りボディーに挟まれたくはない。