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「まだ数人の候補がいます。華鳥はその中の1人に過ぎません。」
その言葉に安心…と思いきや,沸き上がるのは怒り。
「何で華鳥がお前の妻候補に上がってんだ?誰が推薦しやがったんだよ。」
「佐夾。落ち着け。」
「決まっているでしょう。貴方は自分の父親の存在を忘れたのですか?」
祐真の言葉に,俺も優夾も血の気が引いた。
「父様…が…?」
「……………」
そんな,まさか。
「相馬さんからの推薦です。貴方達に口出し出来ますか?」
それを聞いて,何も言えなくなる。
進宮相馬(ソウマ)。
進宮財閥No.2。
いや,ほぼ実権を握っている人物だ。
「そういうわけです。」
祐真はあの微笑みをすると,また帽子を深く被った。
「祐真。」
「何ですか,佐夾。」
「…華鳥を選ぶ…なんてことはしないよな?」
「……親友として,いいことを教えましょう。
藤丞ファミリーのボスの妻は誰もが望む地位。
他の候補者に暗殺されないようにすることですね。」
祐真は俺の質問に答えることなく去っていった…
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