VS.01 再会

3/6
前へ
/124ページ
次へ
「おや,違いましたか??」 『はい,人違いのようですよ。』 「それは失礼しました。 ご無礼を働き申し訳ありません。」 男は帽子を取らずに頭を下げ,颯爽と廊下を歩いていった。 なーんだ,とでも言うように野次馬は落胆の色を見せた。 なーんだ,じゃないよ。 あの男,何でこんな所にいるんだ? あの声,偉そうな態度,堂々とした歩き方。 間違いない。 あの男!イタリアにいるんじゃなかったの!? 内心は焦っていたが,何ともなかったように,私は自分の席に着いた。
/124ページ

最初のコメントを投稿しよう!

338人が本棚に入れています
本棚に追加