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「…なぁに考えてんの祐真クン?目,笑ってないよ?」
整った顔。
黒髪に銀色のメッシュ。
右耳には黒い小さなピアス。
完璧な容姿にその微笑みは,僅かに恐怖を含む。
「華鳥を妻候補としました。」
「「……は?」」
静寂が,走る。
華鳥を…妻…??
「ちょっと待て祐真。」
「誰の??朱乃烏クン??」
「何故ユキなんですか。俺の妻候補に決まっているでしょう。」
思わず,コイツを殴り倒しそうになった。
いや,今でもコイツを殴りたい。
隣にいる優夾を見たら,失神寸前だった。
そうだよな,失神したくもなるよな!
華鳥を祐真のお嫁に,なんて考えられないよな!
「祐真の妻…つまり…」
「待って。俺認めない!マフィアのボスの妻なんて認めない!イタリアに行かせない!!」
「落ち着いて下さい二人とも。誰が決定とか言いましたか。」
静かに,俺達を諭す祐真。
え?決定…じゃない…?
「華鳥の他にも候補はいます。」
それを聞いて,思わずガッツポーズ。
絶対,その候補の中で一番華鳥が美人だろうけど!
絶対華鳥が一番妻に相応しいと思うけど!
悪いが他の候補から選べ!!
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