プロローグ

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「細川先生、どうですか調子は?」 放課後 職員室で小テストの採点をしていると、 教頭先生が話しかけてきた。 「あ、教頭先生。お疲れ様です。調子はいいですよ。僕ももうすぐ一年なので」 「そうですか。それはなによりです。」 教頭はニコニコしている。 背は低いが、40代半ばで、常に冷静さを持っていて、生徒からの信頼の厚い教頭は、 私にとって尊敬を抱かずにはいられない存在だった。 よく声をかけてくれる教頭の優しさが好きだった。 「ところで細川先生、先生は学生時代にバスケットをしていたとお聞きしましたが」 「あ、はい。高校までですが…」 私は高校まで部活でバスケットをしていた。あまり強くなく、しかも補欠だったが… 「そうですか!…実はですね、先生にちょっと相談があるんですよ」 教頭はニコニコしながら『相談』を始めた。
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