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白い、白い部屋は、少しずつ、本当に僅かにではあるが、変化を見せ始めていた。
それは、部屋の主である茜の変化に伴ってか。
段々と、白い部屋には色彩が感じられるようになってきた。
その部屋で、自分の成長の証の中で、茜は小さく、怯えるように、問い掛けた。
自分を、成長させてくれた人に。
白い部屋に、色をくれた人に。
明日退院してしまう、愛しい人に。
小さく、本当に小さく、消えてしまいそうなほど小さく、蜃気楼みたいに不安そうに、待春茜は網風月都に問い掛けた。
「――明日も、来てくれる?」
言葉足らずな、茜の祈り。
明日退院してしまっても、自分の元を訪れてくれるのか、と。
そんな、限りなく無意味な……月都にとっては本当に無意味な問い掛け。
そんな事、今更問われるまでもない。
「あのね、当たり前でしょ。好きな女の子に会いにくるのは、当然じゃないか」
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