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「おい…おい!!ちゃんと聞いているのか?!」
男は、暗い室内で青白い光を浴びながらパソコンを眺めている少年に怒鳴った。
男はスラリとした足をピンと伸ばして立ち、180cm以上を思わせる程の長身を壁にもたれかけさせながら、少年を見ている。
顔はまるでモデルを思わせる程に整っており、輪郭、鼻筋共に真っ直ぐにとおっていた。
深緑色の髪は短めで、耳の上までしかなく、ウルフカットをしている。
スッとした切れ長の目は新緑を思わせる程の緑色をしていた。男は所謂クールな美形と言われる顔をしている。
しかし、男の顔は今、その美形が霞む程に怒りに歪んでいた。
原因は言わずもがな、パソコンの前に鎮座している少年にある。
少年は先程から、男が話をしていると言うのに、ズッとパソコンから目を離さず、チャカチャカとキーボードを叩いているだけだったのだ。
返事もなし、反応もなしでは、さすがの男も怒鳴り付けたくもなるというものだ。
ところが少年は、男の恐ろしいまでに鋭い視線も、怒鳴り声も気にせずに、反省した様子もなく気だるそうに男へと顔を向けた。
「いちいちうるせぇな…言われなくても聞こえてるっての。そう怒鳴るなよ、仁(じん)。もしかして~キシシッ!便秘か?」
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