もう一度

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何気なく病室を見渡してみると。 さっきは気付かなかったが、ベッドの脇に設けられた机の上に綺麗な花が活けられた花瓶が置いてある。 そしてその周りには大小様々な箱やペットボトル、スナック菓子、その他諸々。 真っ白な部屋に場違いなそれらは異様な存在感を放っていた。 (……何だこりゃ) そんな俺の不思議そうな視線に気付いたのか、大樹がああ、と説明を加えた。 「それクラスの奴らからの見舞いな」 「見舞い?」 「そ。ちなみに棚の中にまだまだある」 見るか?と言われて首を横に振る。 目を凝らせばその見舞い品には、クラスメイトからの安否を気遣うメッセージが一言ずつ書かれていて。 それだけでもう十分すぎるほどだった。 その時。 不意に頭をよぎった後ろ姿にハッとする。 3日前の俺の記憶は。 千倉の背中に手を伸ばしたところで途切れている。 「っ、大樹!千倉は!?」 「おい、」 「千倉は無事なのか!? どこかケガとかしてな――ッく……!」 ズキン、と。 金づちで殴られたような痛みに思わず顔をしかめ、頭を押さえる。  
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