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落ち着け、とベッドに寝かせられ。
起き上がろうとする俺を大樹は手と目で静かに制す。
「目ぇ覚ましたばっかで無理すんな馬鹿」
「けど……っ」
「教える。お前の知りたいことはちゃんと教えてやる」
だから大人しくしろ、と言われてしまえばそれに従うしかなく。
抵抗を止め、ベッドに身体を沈めた。
大樹は溜め息をつきつつもゆっくりと口を開く。
「千倉は無事だ。怪我もしてない」
「……ホントか?」
「ああ」
その言葉には一欠片のウソも混ざっていないのが分かったから。
ようやく安心して肩の力を抜いた。
「もっと言えばこの三日間、毎日見舞いに来てたぞ」
「…………」
「今日は俺と入れ違いでもう帰ったけど、……どうする?」
「え?」
一瞬、何を聞かれているのかが分からず、つい聞き返してしまった。
「目が覚めたって連絡。お前がするか?」
「あ……」
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