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「なんて読むのよ!」
あたしは叫んだ。
心の中で。
「もう一度言うわ! なんて読むのよこれーー!!!!」
あたしは叫んでない。
流石にそこまでは叫んでない。
しかも、声の聞こえた場所が不自然だった。
後頭部、よりは数センチ後ろだったように思う。
ってことはつまり、自分の肉体の外部であるのは間違いなかった。
と、そう思ったのはもっと後のことで、実際はあまりの大声による反射作用で腰から前のめりに屈折し、そのままほぼ無意識に後ろを振り返ったのだった。
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