だいいち

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広い世界の中の小さな国に、少女はいた。 真っ白な服。 茶色の髪。 裸足の足。 そして、赤ん坊の様な目。 何も知らなさそうな目。 彼女は、その通り何も知らなかった。 言葉は知っていたが、何の為に使うのか知らなかった。 表情を作るのも上手かったが、それが何の役に立つのかは知らなかった。 本当に知らないのだった。 あえて言えば、純粋だった。 汚れさえも知らない。 彼女は真っ白な心で、世の中を見つめていた。
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