だいさん

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下界に降りた少女は、世界を良くする為に働いた。 緑のない公園に花を。 干上がった池に水を。 明るすぎる夜に星を。 環境破壊を消した。 凶悪犯罪を消した。 有害物質を消した。 彼女は、与える事と消す事しか知らなかった。 彼女は、必要なものを与え、不必要なものを消していった。 やがて、世の中は少女を憎むようになってきた。 木が生えすぎて土地を作れない タバコや酒が世の中から消えた 警視庁の存在理由が無くなった 世間は彼女を、 「出しゃばりの偽善者」 と呼んだ。 街で見かけると人々が追い回した。 各国が彼女を生物兵器にしようと研究していた。 テロ組織や暴力団は、彼女を目の敵にした。 それでも少女は、使命を果たそうとした。 少女は、何故周りが自分を批判するのか分からなかった。 そうして何年かが過ぎた。
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