麻雀

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久しぶりのレッスン日 「ふぁ~あ」 いけない、先生の説明中にアクビなんて。 「最近なんか眠そうだね。大丈夫?さっき言ったの分かった?」 いけない、全然聞いてなかった。 やっぱり、ここんとこ夜は雀荘ばかりだったから、かなり寝不足。 「はい、大丈夫です!」 「なら良いけど、パリの大学だからね。頑張ろうよ。でも、疲れてるみたいだし今日のピアノのレッスンは終わりにしょう」 「すいません」 そう言うと先生は奥の部屋へ。私も先生と一緒に移動した。 眠いからエッチはやだなぁ。 そお思いながらも自分の衣服に手が伸びる。 「何やってんの。疲れてる時にはゆっくり休まないと。だからエッチは無しだよ」 そう言うと先生はクッキーを出してくれた。 「紅茶で良いよね。今入れるから先に食べてて」 細かい気遣い。だから年上の男性って好き。 先生は紅茶を持って私の隣りに座る。 「こないだの君は素晴らしい会心の出来だったのに今日は集中力は途切れるし、間違える上に音にも重みが出てなかったよ。 だけど、中盤のあの部分は良かったよ」 そう言って私の頭を撫でてくれた。 「最近発表会の事を考えて夜眠れないんです」 とっさに嘘を付いてしまった。 だって、麻雀をやってるからなんて言えない。 「そうか、不安なんだね。でも誰だって不安になるものさ」 「確かに不安かも」 違うの麻雀して寝てないだけ。 「そうだ今日は私が君の為に一曲引いてあげよう。何が良いかな」 「じゃあ、悪魔の階段をお願いします」 静かな部屋に激しいピアノの音色が響き渡る。 最初は暗く重みの有る音色。 徐々に激しく、途中に超高音領域かと思えば超低音へ。 それらが一体となって音楽となる。 超難易度のピアノ練習曲! やっぱり先生の演奏は凄い!! 先生の演奏を聞いて私はやっぱりピアノで生きよう。お母さんと同じプロになろう思った。
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