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「スイマセン!麻雀できますか?
今度高校生大会があるんだけど出てみませんか?」
「…」
「ちょっと待って!!
じゃあ受付だけでも!」
「忙しいから、ゴメン」
クソ!ちっとも集まらねーや。
仕方ない受付とかクラスの連中にもう一度お願いするか。
しかし、麻雀出来る奴は居ないのか?
ゲーセンで良くやってるじゃん!
とりあえず、教室に戻ろう。
その日の夕方
でも良かった。なんとか受付だけでも決まって。
後は選手だけだな。
誰か強い奴でなくて良いから出てくれないかなぁ。
放課後の音楽室
「どうしたの?なんか今日へんだよ?」
あれ、考え事してたの分かったんだ。
いつもただ無心に弾いてるだけかと思ってた。
そうだ、大会の事をとりあえず聞いてみるか!
「実はさ麻雀大会が来月あるんだけどメンバー1人足りなくて悩んでるんだよ」
「へえ~。麻雀大会かぁ楽しそうだね」
「だろ~!良かったら出てみない?」
しまった!何って事言ってるんだ僕は!
彼女が麻雀なんか出場してくれる訳ないし、麻雀を出来る訳ないじゃないか。
「良いわよ。少しくらいなら」
ほら、断られた。だいたい…!?
いいわよ??
「本当に出てくれるの!!麻雀だよ麻雀知ってる?」
「知ってるわよ。昔よく親とやってたから」
「でも私も、もうじきピアノの発表会だから…」
「良いよ、良いよ、大会当日に来てくれるだけでも大助かりだよ」
「なら良かったわ。その代わり、お願いが有るの」
やっぱりな、都合よく大会に出てくれるわけないと思ったよ。
掃除当番代われとか、まさか、もう音楽室に来ないでなんて言うんじゃないよね。
「どうしたの、また、変な顔して。別に変なお願いじゃないわよ。
私の発表会にも聴きに来てほしいの」
「なんだ、そんな事か。君さえ良かったら毎日だって行くよ」
こうして選手は決まったが、彼女の腕前となぜ僕を発表会に呼んでくれたのかが気になって、その夜は一睡も寝る事ができなかった。
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