4809人が本棚に入れています
本棚に追加
ドクンッ‥ドクンッ
あたしの心臓は今までにないくらい、あたしの中に響いていた。
あたしは静かに保健室のドアを閉めた。
保健室の中では、見たくないものの姿があった。
「祐真くんがまだあたしのこと好きかもなんて………あたしもバカだなぁ…」
祐真くんは花と抱き合っていた。
あぁ…そっか…………
祐真くんは花のこと好きなんだ……
だから別れようって…??
「本当…あたしってばか……ッ」
あたしは手で目を強くこすって、裏庭に出た。
そこには昨日みたいな夕焼け空なんて無くて、ただすごく暗い雲がかかっている空が広がってるだけだった。
あたしはしゃがみこんで泣いた。
裏庭でなら、いくら声を出しても誰にも聞こえない。
最初から……無理だったんだね―――
祐真くんが別れようって言ったときから、もうだめだったんだ―――――
最初のコメントを投稿しよう!