嵐の行方-Ⅱ-

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涙を流せば流すほど、あたしの中にはさっきの光景が蘇ってくる……… 祐真くんと花が抱き合っていた…… やっぱり花には勝てなかった―― あたり前か…… 「告白なんて……しなかったら良かった……」 あたしの目からは涙が次から次へと落ちていく。 雨も降り始めた… あたしはひどい雨の中、1人しゃがみこんで泣いていた。 「うぅ……ひッ…う………ッ…」 あたしは涙で顔をくちゃくちゃにして、必死に目をこすった。 止まることを知らない涙は後から後から流れる。 「あぁッ……うッ…………ッう……」 あたしの心の中は嵐のように荒れ狂っていた。 「……弥夜ッ!!!!!!」 「うッ……ぅあ………ッ」 涙で目がにじんで、あたしを呼んだのが誰だか分からない。 「弥夜ッッ!!!」
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