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「普通は無理だと…見た目の素材と自分の力の加減を予め知ってるからそう考えるのでは?‥では今からこの空き缶が…仮にスポンジと同じ硬さだと信じたらどうでしょうか?」
言ってる理屈は頭では理解していたが、それを実行に移す人が実際にいるだろうか?と疑問形を投げかける。
「でも実際…これは空き缶だろ?スポンジじゃないのは分かってる。それを夜昂さんはスポンジと信じ込んで見ろと言う…」
「はい…これをスポンジと信じ込んでこの空き缶を軽く握って一気に力を加えて下さい」
俺の手に冷たい缶の感触が伝わる…俺は缶を軽く握りそして…一気に力を込めた。
すると手の周りが白い靄のような不思議な煙のような物体に覆われた。
俺が少し力を加えると…グシャッと缶は呆気なく潰れた。
俺は気味が悪くなり手から缶を振り落とした。
自分の手のひらを見つめると…少し赤くなってるだけで何ともない。
「ぅわ!!どんな仕掛だよι…何か手品みたいな仕掛けがあるんだろ?」
俺が聞くと夜昂さんは悲しそうな目で俺を哀れむように見ていた。
「何だよ…トリック何だろ?タネを見せてくれって…」
相手は首をゆっくり左右に振るだけで…反応は薄かった。
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