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「……クインダム…………;」
レダは振り返ると、何故振り返ってしまったのか、と言う後悔の表情を見せた
と同時に、彼の背後に居たラクレス達を見て盛大なため息を吐いた
「グダイ殿、まさかあなたがこんな事をするとは思いませんでした。
これは暴挙ですよ?せっかく捕まえた悪党を放すなど――」
「悪党?言ってくれるじゃないのレダちゃん」
「その呼び名はやめろ!!」
空気に振動が走った
「私は政府における戦闘部隊一番隊の剣士だ。
一介の賞金稼ぎふぜいが、私を愚弄するな」
「……おいレダ。それは無いんじゃねえの。
せっかくこの俺が!!」
レダに飛びかかろうとしたクインダムへ、四方から魔法武器が向けられた
前方からはグダイの大剣が、残り三方からはロア達の武器が
「クインダム。協力すると言う建て前でお前を釈放してるんだ。
悪いがお前を信用してる訳じゃない」
左にて棒を向けるラクレスの発した言葉だった
「……わかってるさ。ついカッとなったんだよ」
「この状態で構わないわよね?続けてもらえるかしら」
右から杖を向けるエティに、クインダムは両手を上げて笑い声を上げた
「あんた美人なのにやる事がえげつないねえ。まぁいいか」
レダとクインダムの視線が合った瞬間、クインダムは不気味に口元を緩ませた
「――ジェックは数日前、北の大陸で見つけた」
クインダムの言葉を聞いたレダの目が大きく動いた
「そして聞く所によると、レイミンもこいつらの仲間だって言うじゃないの。
こいつらは察しがついてるようだぜ。2人が血の繋がった兄妹だってなァ」
「な?;あなた方は既に気付いて!?」
「ジェックもレイミンを探してたぜ。
だがレイミンの方はジェックはおろか、自分の幼少期を覚えてないらしい」
「……………………;」
レダは黙って下唇を噛んでいたが、視線はクインダムに定まっていた
「ジェックは全て知ってる。
それ故に、世界中を旅してる。
だがあの人の血を引いてるだけはあって、他の事に首突っ込んで多少野暮用もあるみたいだ」
「あの人と言うのは誰だクインダム」
ラクレスの冷たい言葉を受けたクインダムはレダを見た
「それはお前が答えろよレダ。
いつまで塞ぎ込んでるつもりだ?
ようやくレイミンが目前に居るってのに、何故会わねえ?
お前が一番会いたくて、話してやりたい事もあるだろうが」
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