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語気も荒くフレッドはそういい終えると、コーヒーを一気に飲み干す。そして、ゆっくりとザックスを見据えた。
「んで、お前は合格だ。魔法については年相応、もしくはそれ以下だが、剣に関しては、正直お前が過ごしてきた人生が見てみたいほどだ。
だから、俺はお前が望むなら、お前のためにデバイスを作る。・・・どうする、坊主?」
そこまでデバイスに魂を賭けるその姿はひどく眩しく見えた。
純粋に尊敬する。だからこそ、友になりたいと思った。故に、この時他に語るすべをザックスは持ちえなかった。
「ザックス」
「あん?」
「ザックス=フィアだ。坊主じゃない」
「そうかよ。・・・それで?」
今度はザックスの言葉にフレッドが困惑する。だがそれに構う事無く、ザックスは続けた。
「名前を教えてくれ。あんたは?あんたの名前は?」
「知ってるんじゃねーのか、お前」
「それでもだ。それでも俺はあんたから聞きたい、だから」
「わかったよ。俺はフレッド。フレッド=ソールドマン。・・・これでいいのか?」
その言葉にザックスは頷く。そして、返答代わりに、デバイスを作ってくれと頭を下げた。
「はっ。変な奴だな。おまえは」
「お互い様って奴さ」
「違いない」
二人はただ苦笑しあうだけだった。
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