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「あら、ザックス。今日も勝ち残ったみたいね」
戦いを終えたザックスに掛けられた声はどこか愉悦を含んでいる。その主を追えば、穏やかな微笑浮かべた美女の姿があった。
彼女の名はサリサ=イグナントス。ザックスがこのような場所で戦う事になった発端である。
ザックスが今いる場所はミッドチルダ北端部に広がる廃墟の地下。昼間はゴーストタウンもいいところであるスラム街であるが、夜になると状況が変わる。
コロシアム等という原始の遊戯所。夜にのみ開かれる、闘争の坩堝。
それによって廃墟は俄かに活気づくのだ。
それはさておき、ザックスがこんな所にいるのにはやはり理由がある。
彼がこの世界に放り出されたとき、はじめに問題となったのがお金の問題である。
戸籍など存在するわけもなく、また見た目の年齢も下がっている以上真っ当なところで働ける訳もなかった。
そんな時に出会ったのが彼女だった。
「生きるために命を懸ける覚悟・・・ある?」
おそらくは、誰でもよかったのだろう。彼女が求めていたのはただの生け贄であり。選ばれたのがザックスであった。と、ただそれだけのこと。
そしてその結果が今の立場だ。ろくな
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