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「くしゅんっ。」
あたしはくしゃみをする。
「今夜は冷えるね。」
あたしを呼び出したあなたはあたしのくしゃみを見て笑いながら言う。
「本当だよ,急にどうしたの?こんなところに呼び出して?」
あたしは少しむくれる。
「まぁ,そう言わないで,見てみなよ?空。
綺麗でしょ?」
あなたはあたしを一目見て夜空を見上げる。
「うん,綺麗・・・。」
暗闇に浮かぶ数々の星達の光が地球が丸い事を教えてくれる。
「綺麗でしょ?でもこれだけはっきり見えるのは空気が澄んでるから。
今夜,寒いのに見に来た僕らに夜空からのプレゼントなんだよ。」
あなたが真顔でいうから寒さも愛おしく思えたよ。
「知ってる?」
急にあなたがあたしの隣にくる。
「この星の輝きは僕らが生を受けるずっと前に輝いた光なんだよ?」
あなたはそう言って座る。
「えっ?どういう事?」
あたしもあなたの隣に座って寄り掛かる。
「星たちは僕たちのこの場所からずっとずっと離れた所にあるから光が僕たちの所に届くまで時間がかかるんだ。」
あなたはあたしの肩に手を回してくれる。
「凄いね。ねぇ,≪人は死んじゃうと星になる≫なんて言うよね?それはなんで?」
あたしは星の輝きに惹かれてふとそんな事を聞いてみた。
「うーん,その人がずっとずっと遠くに行ってしまったっていう事なんじゃないかな?」
あなたはあたしをぐっと抱き寄せた。
あたしはあなたの顔を下から覗きながら,
「じゃあ,死んじゃった時に輝いた光が地球に届いた時に人は生まれ変わるのかな?」
あたしは悪戯に言う。
そしたらあなたったら
「じゃあこの星達の光は命の輝きなんだね。
祝福しなきゃ。」
そんな事言うからあたしは少し泣けてきたよ。
だって今日はあたしの誕生日。
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