桜の精霊

1/1
前へ
/6ページ
次へ

桜の精霊

毎年私は通り過ぎる人達を見送る。 私は存在するが 存在しない なぜなら妖精だから。 誰も私に気付かない だから彼らを見守ってあげたり空を眺めることしかできなかった。 私がいる意味があるのだろうか… ある年のこと 私に話しかけてくれる女の子が現れた。 その子はいつでも色んな話をしてくれた。 悲しい時 嬉しい時 親と喧嘩したとき 毎日来て 毎日話をしてくれた。 なのに 最近来てくれなくなった。 そして つまらない日々が続く。 そして彼女はもぅ この世にはいなくなってしまったらしい。 なぜ、いないと解る? それは 彼女の娘が知らせに来たから… 『お母さんの思い出の場所』だからと…話してくれた。 その子には私が見えていた。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加