日独、現る。

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「いいか貴様らッ! 来週二年どもは、韓国へと修学旅行に旅立つ。 言葉も通じない国で役立つのは、知識でも、歌でもない。体力だ!よって我がバスケ部はこれより、20キロのランニングを敢行する。返事はッ!」 放課後の体育館には部員達による、大きなうなりのような返事が反響を残して轟いた。 この教師はバカか。そう感じたハルヒは教師の顔を覗き込み考える。 本当に体力のみで生きたのか?奴が教師になるために受けた公務員試験には、体力以外の要素もあったはず。それを思い出せ。 知らない土地で重要なのは "知識" だ。それに歌は、一体どこから出てきたんだ?やはりバカだ。 すると、バカの烙印を押された教師はハルヒを見つけ訳の分からぬ事を言い出した。 「水野!今、俺をバカだと思ったろ。体力の重要性を知れ!5キロ追加だ!」 バカは得てして勘だけは鋭いものだ。
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