日独、現る。

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総勢50人を数えるバスケ部員がグラウンドを走る。 渇いた地面から砂埃が舞い、うだるような暑さと疲労で汗ばんだ肌にまとわりつく。 ハルヒは、先頭でゴールした。五キロのハンデはハルヒにとってみれば、これで平等と言った具合だった。 しかし、十キロのハンデを課せられたタクヤは違っていた。 もともと、ハルヒと肩を並べるタクヤの足だが流石に十キロは厳しいようだ。集団がゴールしてもなお、タクヤは走り、十分後ようやく苦行を終えた。 一人息を切らすタクヤをよそに教師は、話を始めた。 「よし、全員体育館に戻り練習を始めるぞ」 タクヤは、ハルヒに目で助けを求めてきたがハルヒにはどうしてやることも出来ず、その日タクヤは終始無言で練習に励み、ようやく練習を終えて発した奴の言葉は “あぁ、鳥になりたい” やはり、こいつもバカだ。 ハルヒは深く納得し一日を終えた。
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