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【クリームソーダ】
朝になりました。
柊ちゃんの笑顔は少しばかり硬いようです。もう!これも、紘人くんのせいだと思うと 猫パンチ を繰り出したくてしょうがありません。
「よ!」
紘人くんです。いつも2人は一緒に登校するんです。
「……おはよー!」
柊ちゃんも返します。ほっとしたようです。きっと昨日、黙って家を出て行ったものですから、紘人くんが怒っていないか心配だったのですね。硬かった顔がほんのり緩みました。
しょうがありません、猫パンチは勘弁してあげましょう。
その後は、いつものように、いろいろなよしなし事を話していたのですが、紘人くんはこんなことを言い出してしまったのです。
「ところでさ、お前、彼氏いんの?それか、好きな奴とかー?」
……時が止まったかのようでした。
「いるよ」
「うわ、まじで!?
え!俺の知ってる奴??あーどうしよ、俺、知り合いに柊紹介してくれって頼まれてるってのに。…ま、しょうがねーよな。
で?誰なんだよ!?」
柊ちゃんの声は、震えていました。それに気づかず紘人くんはたたみかけるように話し続けます。
「なあ、教えてくれって!幼なじみだろー??」
まるで、クリームソーダの炭酸がはじけたようです。柊ちゃんは紘人くんをひっぱたきました。
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