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なぜこんなことになってるのかを説明するため、時間を少し戻す。
昨日の土曜日、バイトを終え家に帰るとジローから電話がきた。
「もしもし?どした?」
「まぁ今から行くわ」
「お、おう。了解」
そしてタケとジローがやって来た。
ジローは部屋に入るなり
「赤川、スキー行こうぜ!!」
「へ?いつ?」
「もちろん明日」
「はぁ!?」
だがたまたま明日はバイトは休みで、二人の勢いに負け行くことになった。
一度解散し、少し寝てから朝の三時に再び集まる。
そしてオレの車で腕山を目指す。
「オレ初めてなんやけど何もいらんの?」
と運転しながら聞くオレ。
「レンタルがあるやろ」
と言うタケ。
「ふぅ~ん。雪は人工雪なんだろ?」
「確か山の上の方は積もっとるらしいよ」
《そっかぁ、雪が積もってんだ》
人生初のスキーにオレのテンションも上がってきた。
《…ん?ちょっと待てよ》
「雪積もってるならタイヤにチェーンせんでいいん?」
「いけるやろ」
といい加減なジロー。
「ふぅ~ん」
今思えば、そんなジローの言葉を信じたのが間違いだった。
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