後悔

34/46
605人が本棚に入れています
本棚に追加
/690ページ
夜明け前の山道を車で登っていく。 途中から道に少し雪が積もっていたが、それでも順調に進んでいく。 「まだかなぁ」 と聞くと 「あ、見て。あと1キロだって」 とジローが看板を指さす。 「ほんまや」 そう言った瞬間。 キュルルルル タイヤが雪で滑り空回りする。 少し車は下がり、とりあえず停止した。 「ヤバくない?」 とタケ。 「どうしよう?」 それから三人で話し合い、タケとジローが歩いてスキー場にチェーンがないか見に行くことになる。 その間、オレは車の中で他の車が来ないことを祈りながら待つ。 夜明け前の冬の山道は一人で待つには心細くて、オレは何度もタケに電話をする。 しばらくして二人が戻ってくるが、やはりチェーンはない。 このままここにいるわけにはいかないので、とりあえず下山することに。 車が滑らないよう支えてもらいながら、ゆっくり慎重に向きを変える。 そして現在に至る。
/690ページ

最初のコメントを投稿しよう!