代償

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「まさか森さんが真犯人だとは思わなかったわよね。まぁ……頑固なところもあったんだろうけど。これで三度目の警察沙汰……。ヒヒが騒ぐかと思えば、奥さんが出産でお休みですって」 自分の席でしょんぼりしていた私の肩を仲間さんが後ろから叩いた。 励ましのつもりかもしれないけどいつもの調子でドライな意見……。 「上田さん絡みの件だから開発課は慎重に取り調べをするでしょうけど、何でも正直に話せばいいから」 白石課長が通りのいい魔法の声で指示を出した。 不思議と心底に何かの力が湧くのよね。 そうだ! 怪電話の事を課長に話しておこう。 「課長……、ちょっと……」 私は白石課長を会議室に引っ張った。
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