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目を覚ますと、見知らない人物が、僕の顔を覗き込んでいた。
「おはよう月々くん。早く起きないと、学校に遅れちゃうぞっ!!」
否、僕はこの人物を知っている。見知らぬ……ではなく、見慣れぬが正解か………じゃなくて!
「なんで……なんで、鏡神さんが僕の家に、僕の部屋にい………」
最後まで言う前に、頬を叩かれた。
……………何故にっ!?
「私は貴方の彼女です。対等に、仲良くお互いの存在を大切にしなさい」
あのー……最後の方、命令形だったんですけど…………どこが対等だよ。
「…………………」
「…………………」
「おはよう月々くん。早く起きないと、学校に遅れちゃうぞっ!!」
「繰り返すの………」
叩かれた。
「月々くんは挨拶も出来ないの?常識が無いなんて……ダメねダメダメね。ダメなところだらけね。むしろ、ダメなところしかないんじゃないの?」
ダメって言い過ぎ………。
「おはようございます」
「はい、良くできました。よしよし」
鏡神は嬉しそうに笑って笑って、僕の寝起きの頭をわしゃわしゃと撫でる。
………あれ?なんか流された何かがあると思うんだけど………はっ!
「何が対等だっ!僕は犬か何かか!?…………じゃなくて、鏡……」
叩かれた。
話が進まねー!
「なんで、無音さんがいるの!?」
さすがに名前を呼び捨てにするのには、抵抗があった。
また叩かれたかなっと思ったけど、鏡神は眉をちょっと歪めるだけで、叩くことはなかった。
あっまだ、不満があるのか…………。
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