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「常識を考えて、物事をいってよ」
はぁ…と深いため息を吐き出す鏡神。
あれ?僕が悪いんだっけ?
「ごめんなさい」
とりあえず謝っておいた。
「それにしても、恥ずかしいな」
「はい?何がかしら?」
「だって、親の顔は見られるは、寝顔は見られるし………」
「ん?親の顔?私、月々くんのご両親には会ってないわよ?」
鏡神は、何をわけのわからないことを……みたいな顔して、僕を可哀想な目で見ていた。
「だって、玄関は鍵が閉まってるはずだし……じゃ、姉さんに開けてもらったの?」
「なに!月々くんお姉さんがいるの!?」
「これも……違う。まさか!鍵を開けっ放しにしてたのか」
しまった……昨日の最後に家に帰ったのは、僕だよ。あぁ、母さんにバレたら殺される。
「月々くん?鍵はちゃんと閉まってたわよ?」
「えぇ……じゃどうやって………」
そこで僕の言葉が切れる。理由は、鏡神に叩かれた……わけではない。
ただ……なんか全てが繋がった気がしたから。
「……鏡神さん、今日も綺麗ですね」
「なっ……へっ!?えぇ!!」
「髪もきれいです」
「そっそう?」
ちょっと顔を赤らめて、照れる鏡神。
「スタイルもいいし」
「あっありがとう」
「特に胸なんか、高校生の粋を超えてるよ?」
「やっやめて、恥ずかしいわ」
「制服も似合ってるよ……鏡神さんは僕にはもったいないな~」
「そっそんなことない………」
僕の褒め殺しにあって顔もあげれなくなる彼女。
「でも…………」
顔をおろしてるならわかって欲しい。違う、自覚して欲しい。
「なんで、家の中で靴を履いてるのかな?」
「………………はっ」
バレたっみたいな顔してんじゃねぇ!
「まっ窓から、侵入したから………かな?」
可愛く下をちょっと出して、片目を閉じ、右手でグーをつくり頭の上に置いた。俗に言う『やっちゃった』的なポーズ。
やけに可愛いな………なんて思えるか!
「人に常識をどうこう言う前に、自分の行動が常識の範疇以内かをかんがえろっ!!」
泥棒とおんなじじゃないか!!
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