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「あーあ、床が泥だらけじゃないか………」
「そんなことはどうでもいいわ。私の家じゃないから………」
それってひどくない?
「でっ何で無音さんは、僕の家に泥棒まがいなことまでして、僕の部屋に侵入してきたんですか?」
「それは…………」
口ごもる鏡神。何か言えない理由でもあるのだろうか……。
「貴方のその嫌そうな顔を見たかったからよ」
「質が悪いよ、この女」
黒い、黒いよ。絶対に白色混ぜでも、灰色にはならないよ。絶対に!!
「その質が悪い女は、貴方の彼女よ」
「僕は拒否をしたのにっ無理やり………」
「嘘吐き…………」
えっ!?僕がそう思った時には、鏡神は制服のポケットからあるものをだした。黒くて四角いもの…………まさかっ!?
『君の彼氏にしてください!!………今はわからないけど、将来は絶対に好きに…』
「やめてぇぇええええ!!」
「あぁ、この言葉を聞く度に、昨日の出来事のように思えるわ」
実際に昨日のことなんですけど………。
「月々くん……私のこと………好き?」
無表情でそんなことを聞いてくるなっ!
鏡神はなんでベースとなる顔が無表情なの!?
もうちょっと感情豊かにお願いします。
照れながら言ってほしいな……演技とかいらないから。
因みに、今鏡神は、僕の恥ずかしい告白が入った録音機で脅しを掛けている。
否定した場合………考えたくないな。
「もっもちろん、僕は鏡神さんのことが大好きさっ!!」
「ふぅん。貴方、1日足らずで、気持ちが変わるんだ……安い恋愛感情ね。でも、嬉しいわ。その言葉が聞けて。私は好きでも嫌いでもないけどね」
「ひどいっ!むしろ惨い…………最後の言葉を聞くと、なんで僕たちは付き合うことになったのかと、激しく思う」
「さぁ?なんででしょうね」
「そこは適当なこじつけで言いように話をまとめてほしかった!」
泣きたい。
「なんで泣いてるの?」
「感情が心という器から溢れ出したからです」
そして………逃げたい。
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